007 ワールド・イズ・ノット・イナフ 特別編
007 ワールド・イズ・ノット・イナフ 特別編マイケル・アプテッド
おすすめ度 ★★★★☆
ボンドは、石油王キング卿の巨額の現金をテロリストから取り戻した。だがその現金には爆弾が仕掛けられており、キング卿は暗殺された。次にねらわれるのは卿の娘エレクトラだ。護衛のためボンドはカスピ海へ。
ボンドが「20世紀最後の任務」にいどんだシリーズ第19作。『トレイン・スポッティング』などで知られる個性派スター、ロバート・カーライルが、頭に弾丸を受けたため肉体感覚を失った不死身のテロリストを演じる。キング卿の娘エレクトラには、アイドル女優として名声を手にしたソフィー・マルソー。そして原子物理学者としてデニス・リチャーズが彩りを添えている。監督は名匠マイケル・アプテッド。そのせいか今回はM役のジュディ・デンチまで「現場」に出て大活躍する。Q役のデズモンド・リューウェリンの遺作ともなった。(アルジオン北村)
★★★★☆ 2006-01-11 意外性のあるストーリーが特徴だが、冒頭のアクションが一番
まず、このタイトルに拍手を送りたい。フレミングの原作が尽きてからは、いかに007の世界観に合ったタイトルを付けるかが、大きな問題だったはずだ。「世界をもらってもまだ足りない」という台詞で、ボンドが家訓だと言っているが、もとは「女王陛下の007」で紋章院の職員が説明した、日本語字幕で無視されている程度の台詞でしかない。よくこのような題材を探しあてたものだ。映画の内容も、最後にヒロインが死を迎えるという、ある意味悲劇的な結末で、「女王陛下」がモチーフになっている映画と解釈できる。しかし、この映画で一番すばらしいのは、冒頭のスペインの脱出劇から、テムズ川のボートチェイスを描いたプレ・タイトルシーンだろう。007は観光映画でもあるが、地元ロンドンを舞台にしたアクションが見事にはまっている。このシーンのデビッド・アーノルドの音楽も最高にいい。逆に本編のアクションに、印象深いものがない。終盤の潜水艦を舞台にしたアクションも閉塞感があって、あまり爽快な気分になれない。冒頭に目いっぱい工夫と勢力をつぎ込んで、終盤にそれほどの工夫がない印象なのは、ブロスナンになってからシリーズの全体的な印象だ。この作品の後に事故死してしまったD.リューエリンの引退シーンが泣かせる。
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