007/消されたライセンス 特別編


007/消されたライセンス 特別編
ジョン・グレン
おすすめ度 ★★★★★


ボンドの親友でCIAエージェント、レイターが結婚式当夜に新妻を殺され、自身も半身不随となった。ボンドは敵を討つべく、Mの命令を無視して中南米へと飛んだ。当然、ボンドのライセンスははく奪された…。

ティモシー・ダルトンがボンドを演じた2作目、シリーズ通算第16作。殺しのライセンスを剥奪されたボンドが、単なる一市民として億万長者の麻薬王にいどむ。麻薬王サンチェスを演じるのは不敵な面がまえが印象的なロバート・ダヴィ。ボンド・ガールにはモデル出身のキャリー・ローウェルと、ミス・ギャラクシーのタリサ・ソトが起用されている。監督はアクションに手腕を見せるジョン・グレン。ダルトンのクールな一面が、復讐という味付けでさらに強調された、シリーズでも異彩を放つほどハードボイルドな内容となっている。(アルジオン北村)

★★★★☆ 2006-01-10 シリーズ中断のきっかけとなる呪われた傑作
4代目ボンドの第二作が、結局引退作になってしまった第16作。演技派ダルトンのために用意されたのは、親友の敵討ちに燃える熱血漢という、今までの映画版ボンド像とは一味違う内容であった。全てがボンドの仕業ではないにしても、鮫の餌食、破裂、粉砕と(ボンド映画にしては)血みどろの残酷な殺人シーンが目白押しで、お膝元の英国では検閲にひっかかった。悪役の存在感もよく、水上スキーの脱出劇やタンクローリーの爆破暴走チェイスなどアクション映画としての水準はかなり高いものがあり、007シリーズとしても、かなり個性的な力作であり意欲作なのだが、それらがあまり良い結果を生まなかったのが不幸な映画になってしまった。この後に6年という長いブランクを余儀なくされるのは版権の問題だが、この映画の成果が多少影響している印象は否めない。ロケ地のメキシコで地縛霊に呪われたという噂(特典映像に不気味な爆発の炎の心霊写真収録!)も、あながち度外れた予言ではなかったわけだ。後にアカデミー賞俳優になるデル・トロの出演という収穫もあった作品だが、何よりダルトン・ボンドももう一作くらいは見てみたかった気もするのだ。

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